お金の賢い減らし方 大江英樹
コスパがよいという言葉があります。
「この商品はコスパがいい」とか「このレストラン、コスパ最高!」といった表現がSNSでもよく出てきます。
「よいものを安く」手に入れたり、味わったりできることを「コスパがよい」というのです。
でもこの言葉が、日本経済を長期にわたって低迷させている原因だと思っています。
「コスパの良いことのどこが悪いの?」「よいものを安くというのはよいことでしょう?」と言う人が多いと思います。
消費者の側から見れば、良いものを安く売ってもらえればうれしいのでその会社や製品には人気が集まります。
でもそれを実現するためには、製造コストを下げなければなりません。
そのもっとも大きなしわ寄せが、働く人の給料にきているのです。
従って「よいものを安く」「コスパのよいサービス」を求めれば求めるほど、「消費者としても自分」が「生産者・サービス提供者としての自分」の首を絞めることになっているのです。