いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太
初のインスタントラーメンを開発した安藤百福さんは、戦後の闇市でラーメン屋の長い行列を見たことをきっかけに開発を思いついてから13年という長い苦しみを経て、昭和33年にインスタントラーメンを誕生させた。
インスタントラーメンは予想をはるかに上回るヒットになった。
この大成功に止まらず、今度はチキンラーメンを国際的な商品にしたいという夢の実現に歩を進めていく。
ところが外国にはどんぶりと箸がない。
器と箸がなければインスタントラーメンは食べられない。
ここでも百福さんはあきらめるという選択は取らず、カップヌードルを完成させた。
生産過程ではパッケージになり、お湯を注いで切る間は調理機になり、食べるときは食器になるカップヌードルはアメリカ軍の兵量にもなり、インスタントラーメンを世界的な食品へという夢は、ついに実現されたのだった。