アリとキリギリス

お金の賢い減らし方 大江英樹

道徳的であるべきなのは、それが儲かるからなのです。
会社ができる最大の社会貢献は、たくさん儲けて税金をたくさん払うことです。
同じように投資でも、たくさん儲けてたくさん税金を払ったなら、それは大いに社会的な貢献をしていることになります。

イソップ物語にアリとキリギリスの話があります。
夏に一生懸命働いて食べ物を蓄えた働きアリに対して、遊んでばかりいたキリギリス、やがて冬がやってきて食べ物がなくなったキリギリスは、アリに食べ物を乞いに行きます。
働いているアリをさんざん馬鹿にしていたキリギリスですが、食べ物を分けてもらったことに感謝し、それからは心を入れ替えて働くという話です。

実はアリがキリギリスに食べ物をあげたというのは、教訓をつくるために後から改変されたもので、元のストーリーではキリギリスは食べ物をもらえず、飢え死にしてしまうという内容なのだそうです。

この物語の教訓は、人生には働くべきときと遊ぶべきときがあるというものです。
アリは一体いつ遊べる時があるのだろう?ということです。
キリギリスの末路は飢え死にです。
しかしアリはどうなったのでしょうか?
短い人生を奴隷のように働いて過ごし、そのまま死んでいくのでしょうか? いつ楽しいときを過ごすのでしょうか?

アリは助けを求めてきたキリギリスを冷たく突き放しました。
そして食べ物に囲まれ、友もいないまま寂しく死んでいきました。
多分、これがアリの末路ではないかという気がします。