どんな成功の日々も平凡な日常には勝てない

今日が人生最後の日だと思って生きなさい 小澤竹俊

なんでもない今日に感謝できる人は、本当の幸せを知っています。
どんな成功の日々も、平凡な日常に勝りません。
ただ生きているだけで、十分に価値があります。
今日が人生最後の日と想像したとき、分かることはほかにもあります。
それは、日常というもののありがたさです。

私たちは普段、「お金が欲しい」「出世したい」「おいしいものが食べたい」「海外旅行に行きたい」など、さまざまな欲望を抱えて生きています。
そうした欲望は、もちろん前を向いて力強く生きていくための原動力になりますが、欲望が満たされないと、心の中に不満や苦しみ、悩みが生まれることもあります。

ところが、病気になったり歳をとったりして、身体が思うように動かせなくなると、欲望の在り方は変わります。
それまで、美味しいものが食べたいと思っていた人が、胃ろうではなく、もう一度自分の口で食事がしたいと思い、海外旅行に行きたいと思ていた人が、もう一度自分の足でトイレに行きたいと思うようになります。
つまり、当たり前の日常を望むようになるのです。