ことばのご馳走

ことばのご馳走 金平敬之助

作家の伊集院静さんが小学校1年生のとき、オール1の通知表をもらったそうです。
その日の夕方、先生から親に電話がありました。
「明日スケッチに行きますから、お子さまをよこしてください」
翌日、絵を描いていると先生が褒めてくださいました。
「君の絵はすごくいいぞ!」
伊集院さんはこの時、生まれて初めて褒められたといいます。
そして、この一言のおかげで「今の自分がある」ということです。

西田敏行さん、ハワイで美空ひばりさんに初めて出会いました。
いきなり肩をポンと叩かれ言われました。
「テレビ見てるわよ・・・」
西田さんはその頃テレビで売り出しの身です。
それだけに、その場でへなへなと膝をつきたくなるほどうれしかったといいます。
人間は、周りからのたった一言で歩む人生が変わってしまいます。
だから言葉は素晴らしいのです。