近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠
高血圧や糖尿病は老化に伴って起こるものであり、生活習慣病というよりも、成人病という名前の方が実態に近いのです。
たとえば高血圧は、老化に伴って血管が硬くなることで発症します。
血管が硬くなると、高い圧力をかけて押し出さないと、血液が体の隅々まで届きません。
そのため、年を取ると血圧が高くなるのです。
これは自然なことだから、極端に高くならなければ放っておいていい。
ところが、薬で下げさせられてしまう。
すると、体の隅々まで血液が届かなかくなって、かえって様々な病気が起こるのです。
がんも同様です。
がんは生活習慣病ではなく、老化現象の一種です。
長く生きれば生きるほど、遺伝子が傷ついて発症しやすいのです。
こう言うと「じゃあ、若い人のがんはどうなの?」と聞かれますが、こちらは主に先天的な遺伝子異常が原因で起こると考えられます。
がんは治療をするとかえって命を縮めます。
そして、予防しようとしても、予防できません。
食生活を改善しようとか、免疫力を高めようとか思って頑張ると、かえって体を壊してしまうことになりかねない。
だから、頑張らない、無理をせず、自然に暮らすのが一番いいと僕は思います。