がんは痛い?

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

がんは痛いと、よく言われます。
放っておくと、がんはどんどん大きくなって、痛みもどんどんひどくなって、夜も眠れず、ものも食べられず、七転八倒するようになる。
そんなイメージが、世の中にはびこっています。

だから、がんは怖い。
だから、がんはすぐにやっつけないといけない。
でも、それはウソです。
僕の経験では、放置すれば多くのがんは、年齢にかかわらず最期まで痛みません。

放置すればがんは痛まないといっているのは、僕だけではありません。
老人ホームで多くのお年寄りを看取ってきた医者の中村仁一さんも同じようなことを言っています。
著書「大往生したけりゃ医療とかかわるな」(幻冬舎新書)の中に、60~70名のお年寄りのがん患者を診て、がんに対して何ら攻撃的な治療をしない場合、全く痛みが出ないのですと書いています。
さらに、死ぬのは「完全放置のがんに限る」とも。

がんワールドの医者たちは、がん患者を放置することがありません。
そのため、大多数のがんは放っておけば痛まないということを知らないのです。
がんを放置すると、基本的には徐々に生命活動が低下して、最期は意識が薄れて眠るように亡くなります。
だから痛くないのです。

では、なぜがんは痛いと言われるのでしょうか?