がんの親玉「がん幹細胞」

「死に方」は「生き方」 中村仁一

抗がん剤が効果があるのは、白血病とか悪性リンパ腫などの血液がん、小児がんや塊のなるものでは睾丸腫瘍とか子宮絨毛がんぐらいと言われています。
抗がん剤でいくら小さくしても、残党がいたのでは全く意味がありません。
それどころか、元々抗がん剤の出自は毒ガスですから猛毒です。
同時にまともな組織や細胞もやられますので、体力を落としQOLの低下は免れません。

抗がん剤がなぜがんに効かないのか、最近明白になってきました。
がんにも親玉の細胞(がん幹細胞)が存在することが証明されたのです。
1997年、カナダの研究チームが白血病の幹細胞を発見して以来、乳がんや胃がん、大腸がん、肝臓がんなどから次々と幹細胞が見つかったということです。

抗がん剤は盛んに分裂している細胞しか殺せません。
ところが親玉の幹細胞は、平素休眠状態にあり、めったに分裂しません。
従って、抗がん剤は手も足も出ないのです。
これで、抗がん剤でがんが根絶やしにできない理由が明白になったのです。

がんは老化が主な原因です。
繁殖を終えていれば、あまり悪あがきをしない方がいいのではないかと思います。
がんになるというのは、この世での使命を終えたと告げられていると受け止めるべきではないでしょうか。