がんの手術は必要・・・?

近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか? 近藤誠

「あなたはがんです」と言われたとき、人は何のために手術するのでしょうか。
一言でいえば「死にたくないから」、これに尽きるのではないでしょうか。
では、手術すれば死ななくなるのでしょうか。
そんなことはありませんよね。
人はいつか必ず死ぬ。
では、手術をすれば寿命は延びるのでしょうか。

医者は「このまま放置すれば余命6か月ですが、手術すればもっと生きられます」などと言うでしょう。
でも、手術して寿命が延びた証拠はないんです。
というのは、同じ臓器の同じ進行度のがんで、手術した場合と放置した場合を、きちんと比較したデータがありません。
そのため、手術すれば寿命が延びるかどうかわからないのです。
手術した方が長生きできるというのは、 「なんとなく延びるような気がする」とか「延びるに違いない」とか「延びてほしい」といった、医者の思い込みや願望に過ぎないのです。

そもそも、がんもどきだったら手術する必要はないわけで、手術するだけ損です。
本物のがんでも、手術でがんが暴れる可能性や、後遺症のリスク、やがて転移が現れることを想えば、やはり手術するだけ損です。