お金の賢い減らし方 大江英樹
人間は、同じ金額でもそれが儲かる金額よりも、損をする悲しみの方が何倍も大きいものです。
買い物をする場合にも、どうしても欲しかったものや楽しみにしていたものを買う場合にはうれしいでしょうが、日用品や毎日の食品を買う場合には買うこと自体の喜びはあまりありません。
むしろレジで財布からお金が出ていくことに対して、わずかながらでも心の痛みを感じているのかもしれません。
これらのことは、お金を中心に考えるとそうなるかもしれませんが、人を中心に考え、その人たちに対する感謝のしるしがお金だと考えるとどうなるでしょうか。
誰かが作ってくれたたくさんの品物、そしてその品物を雨の日でも嵐の日でも届けてくれる宅配業者の人、そういう人たちが働いてくれているから、自分の欲しいものや必要なものが手に入ると考えると、これはありがたいという感謝の気持ちが出てくるでしょう。
お金を払うことが感謝の表明だとすれば、お金が減ることによる心の痛みもいくらかは和らぐのではないでしょうか。
お金が感謝のしるしであれば、お金のやり取りをすることは感謝のやり取りをすることと言い換えることができます。