「DIE WITH ZERO」

お金の賢い減らし方 大江英樹

「DIE WITH ZERO」というタイトルの本があります。
これが意味するのは「ゼロで死ね」、つまり「死ぬときまでにお金はすべて使いきって死のう」ということです。
ところが実際には、多くの人は死ぬときに一番お金を持っているようです。

日銀金融広報中央委員会が2021年に調査した「家計の金融行動に関する世論調査」ですが、金融資産の保有額を中央値で見てみると、60代が1400万円、70代が1500万円と、他の年代に比べて突出しています。
これを平均値で見てみると、さらに増え、60代では3000万円にもなります。

このお金を、生きて元気なうちに使っていれば、どんなに幸せだっただろうかということを考えるべきだと、この本は主張しています。

やりたいことを我慢して、ひたすらお金を貯めることが果たして幸せなのでしょうか。
黙々と働いて、貯金通帳に数字が増えていくことを眺めるのが無上の喜びと言う人もいるでしょうが、それはやはりどこか心の構造が歪んでいるのではないかという気がしてなりません。