「ない!、ない!」と言わない

みっともないお金の使い方 川北義則

お金があろうがなかろうが、「ない!、ない!」と連呼して得することはない。
そんな口癖は、それ自身が災いの種になる。
「ない!、ない!」は悪い呪文のようなもの。
人間には自己暗示の効力が働くからだ。

潜在意識は顕在意識に忠実なところがある。
好きでもないのに「好きです!、好きです!」と言っていると、ほんとうに好きになる。

自己暗示には3つの法則がある。
第一は、意思と想像が対立したとき、勝ちを収めるのは想像である。
結婚式のスピーチを頼まれた人が「あがるまい・・・」と思っても、おたおたする自分を想像したら、ほんとうにあがってしまう。

第二は、意思と想像が協調したら、効果は足し算ではなく掛け算になる。
堂々とスピーチしている自分を脳裏に浮かべれば、そのままの現実が訪れる。

第三に、「想像力は自分で誘導できる」というもの。
想像するとは、自分の頭の中に映像を描くことだから、スピーチに失敗する自分を思い描くこともできれば、拍手喝さいされる自分思い描くこともできる。

この3つのことから,お金が「ない!、ない!」と言っていると、事実に関係なく、想像の世界で常に貧乏な自分を想像していることになる。
想像していることが、しばしば実現するのは自己暗示の効力がるからだ。
「いいことを思えば、いいことが起こる」のだ。