50歳代から60歳代

50歳代になると記憶力とか学習能力は衰えてきますので、若い人に理屈脳の働きで競っても、もうかないません。
がむしゃらに突き進むパワーよりも、人間としての品性が問われてきます。
「品性」とは、道徳面から見たその人の性質、性格のことで、人間的成功に関わる能力のことです。

50歳代は、親の介護や死・子供の独立など精神的に動揺することも多くなります。
また、老いや死を身近に感じ始める年代ですので、生き方や考え方が変わっていきます。
「世のため」「人のため」などと、それまで口にしたことがないような言葉が臆面もなく出てきたりします。

60歳を過ぎますと、老いや病、死が極めて切実な問題となり、嫌でもそれに直面するようになります。
自分なりの価値観、人生観を確立しておかないと、老いること、死ぬことが非常に辛くなってきます。
自分が安心できる価値観や人生観を確立するには、精神的にも、経済的にも余裕が必要になりますので、今までの生き方が問われることになります。

65歳を過ぎ、友人・知人の多くがリタイアした現状の中で、今の私にとっての「生き甲斐」とは、人との触れ合いの中で相手の笑顔に触れることです。
目の前の方の笑顔は、私の顔を反映したものです。
よって私が本心から楽しんでいないと、相手の方の笑顔は見られません。

私の存在が、ちょっとだけでも人の役に立っていると感じられたときは、最高に幸せになれます。
こんな時「歳を重ねるのもいいなあ・・」と思えます。