38歳でガンになって 1

病気になって変わったこと、「お釈迦様のように心穏やかで、いつも笑っている、そんな顔になれたらな・・」と思えるようになったこと。

現実は、僕が想像し憧れていた社長業とは、かけ離れていました。
家族を幸せにするという名目でしたが、結局は自分のためにやっていたように思います。
子供たちの成長を、一番絆が深まる一番かわいい時期に、仕事優先の僕は寄り添ってみることができませんでした。
そんなお父さんでも、今この子たちは「お父さん、がんばってね。早く病気治してね」と言ってくれます。
そこで僕は気がつきました、ほんとうの幸せに。
それは、家族と一緒にご飯を食べ、一緒にお風呂に入り、一緒にテレビを見て、一緒に笑って、そんな日常的な小さな幸せが、お父さんの大きな幸せだ、ということに。

何よりこの病気で学んだことは「感謝」をするということ。
そういう心が芽生えたのはひとえに、入院していた病院の看護師さんたちの献身的な看護によるものです。
今までの僕は、自分の事ばかり考えて行動し、人生を生きてきました。
そんな僕に、人のことを最重要視することを仕事とする人たちとの出会いは、ほんとうに衝撃的なことでした。
魂のレベルが、すごく高い人たちだと思いました。