60%の力で生きていく

「小欲知足」という言葉があります。
欲望を小さくすれば、容易に満足できるという教えです。
人には欲があります。
欲は、人を前進させる大きな力になります。
その代わりに、人を呪縛させ狂わすこともあります。
だから釈迦は、欲望をギリギリまでそぎ落とすために、何年にもわたる修行を重ねたのでしょう。

最初から、あまり高い望みを持ちすぎるから不満が大きくなるのです。
理想の60%~80%位の力で生きていけば焦燥感や不満が少なくなり、気持ちのゆとりが生まれてきます。

そうはいっても、60%~80%のような生き方では、大きな目標は達成できないじゃないか、という考えもあります。
その場合、ヒマラヤのような超高山を登山するにはと考えてみます。
最初から、訓練もせずに登頂を始めれば、すぐに高山病で倒れてしまいます。
悪い結果の場合には、死に至ります。
まずは、ヒマラヤの見えるところから、遥かに望む山々を見ることで感動します。
しばらくそこに滞在して、もっと近くでヒマラヤを見たくなったら、少し高いところまで登り、ヒマラヤの山々が良く見えるところまで行ってみます。
そして、本当に登りたくなったら体を慣らしながら、少し高いところまで登ってみます。
体が慣れたら、もう少し高い所に登ります。
こうした段階を踏めば、60%から少しずつ高度を上げるのは無理でも危険でもなくなります。