5人兄弟の普通

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

1人を中心にあまりにもそのグループが盛り上がっているので、僕もそこに入って聞いていると、とんでもない男がいました。
一見、人当たりのいいビジネスマン。
環境と省エネで未来をつくろうという会社を経営する宮田拓哉さんです。

子どものころ、宮田さんが友達の家に行って一番驚いたことは、夕方になり「ご飯を食べていきなさい・・」と言われたとき。
その家のお母さんが台所に立ち、支度をしています。
「おばさん、僕がつくりましょうか? お手伝いします」
そう言いながら台所に入ってきた息子の友達に、お母さんがびっくりしています。
いいから座っていなさいとご馳走になると、宮田少年はまた驚きます。
そのハンバーグが格別においしかったのです。
「こんなにおいしいもの、僕、生まれて初めて食べた!」
夢中で食べ終わると、後片付けも母親が1人でし、それをよそに友達はのんびりとテレビを見ています。
「なんでおまえ、お母さんにご飯なんかつくらせるんだよ! その上、後片付けまでさせるなんて、悪いじゃないか!!」
いきり立つ宮田少年を見て、お母さんも息子もぽかんとしました。

宮田家の普通は、お母さんが外で働き、家事の一切は5人兄弟で分担してやるということ。
まだ小学生の長男を筆頭に男の子ばかりで、掃除、洗濯、料理、買い物、小さい弟の面倒まですべてやります。
掃除の仕方も食事のつくり方も、兄から弟に順番に教えられ、毎日の生活の中で意識することもなく家事のイロハを覚えていったのです。
小学生のやることですから、ご飯を炊いて、ソーセージとたくあんがおかず、がせいぜいのこと。
ですから、手作りのハンバーグやカレーなど、食べたことがなかったのです。