3か月の辛抱?

人のご縁ででっかく生きろ 中村文昭

人との出会いの中でも、自分を本気で怒ってくれる人と出会えるかどうかは、その人の人生を左右するほど大きなことだと思います。
というのも、僕には若いときはもちろん、今もなお自分を本気で怒ってくれる人生の師匠、田畑俊久さんがいるからです。

師匠との出会いは、僕がたまに出入りしていた焼き鳥屋です。
当時の師匠は、果物、野菜の行商をしていましたが、自分の大きな事業構想を熱く語ってくれました。
その話が持つロマンと彼の人柄に惹かれた僕は、その場で弟子入りすることを決心したのです。

しかし、師匠は決して弟子を褒めず、むしろボロクソにけなし、めちゃくちゃな怒り方をする人でした。
自分の考え方を押し付けるような部分もありました。
例えば師匠は、ある日突然「おまえは3カ月間、これをしろ」と、きつい仕事をさせることがありました。
お店のビル全体のそうじや、駅から店までの通りのゴミ拾いといった仕事でした。
僕らは、もっとかっこいい仕事をしたくて一生懸命頑張っているのに、急にそんなことを言い渡されるのです。
しかし師匠のいうことは絶対です。
3か月間の辛抱だと思い直して従いました。