1億円以上の預金

みっともないお金の使い方 川北義則

人がお金に対してとる行動は次の5つしかない。
①稼ぐ=収入を得るために働く。
②使う=暮らしのために消費汁。
③貸し借り=必要に応じて融通しあう。
④貯める=備えのため。
⑤遺す=子孫の安寧のため。

多くの人は、お金が必要なだけあれば、どんな問題も解決するのにと思っている。
だが、お金の問題は、お金の多寡ではなく、考え方と扱い方によるということだ。

どんなに安月給でも、生涯に1億円以上は稼ぐはず。
たとえば年収300万円で40年間働けば、1億2,000万円になる。
そこで次のように考えてみるのだ。
今あなたの銀行口座には1億2,000万円のお金が預金されている。
ただし、月々25万円しか下ろすことはできない。
この状態が生涯続くとしたら、あなたはお金をどのように扱うだろうか。
きっと計画的に使おうと思うだろう。
月々の金額は大いに不満だが、翌月になればまた25万円下ろせるという安心感がある。
安心感が得られると、お金に対する考え方は健全になっていく。

さて、今あなたが安定した会社に勤めていて、正規社員で収入が多いとする。
この境遇は、銀行に1億2,000万円の預金があり、月々25万円しか下ろせない人とどこが違うだろうか。
どこも違わないはずだ。

「こんな安月給では先の見通しが暗い」ではなく、「自分には1億円以上の預金があるんだ」と思って生きていても差し支えないのではないか。
どちらの考え方をしても、現実は変わらないが、それなら否定的な考え方をするより、肯定的な考え方で生きていった方がいいとは思いませんか。