開き直る

職を失い、身内や仲間に裏切られ見捨てられ、自分の方から繋がりを絶った、というような人たちが精神科医を受診することが多くなっているようです。
精神科医から言わせると「こういう人たちは救いに一番近い所にいる」のだそうです。
自分のプライドを含め何から何までかなぐり捨て「自分を煮ても焼いても好きにしてくれ!」と開き直っているのですから、立ち直りやすいということなのだそうです。
「もう失うものは何もない」と開き直れるところまでいけば、逆に怖いものなしの境地に達することができるのでしょう。

「絶望的」の場合、まだ「絶望」していないわけですから、まだそこから「逃げ出せる道」があるのではと未練がましくなります。
それで「どうしよう、どうしよう・・」とか「あれやこれや同じことを繰り返し空想」してしまうので、頭も心も破裂しそうになるのです。
完全に「開き直れる」ことができるかどうか、あるいは自分を「その状況に完全に委ねる」ことができるかどうか、そこが立ち直れるかどうかの決め手になるのだと精神科医は言います。

とりあえず心の持ちようとして、日常の1つ1つの行為や行動をちょっとでも気分が明るくなれることを選択していきます。
そうすることにより、少しずつですが疲れなくなっていき、新たなエネルギーも沸いてきます。
エネルギーが出てきたらしめたもので、心の棘を1本1本抜いていきます。
こうした1つ1つの些細な行動の積み重ねが「自信」を回復していくのだそうです。