野垂れ死にがいい!

いつでも死ねる 帯津良一

私が「野垂れ死にがいいよ」というと、大抵の人は「えっ」とびっくりした顔をします。
ブッダも野垂れ死にだったそうです。
野垂れ死にというのは、今はそう簡単にはできません。
体調が悪くなれば病院へ入れられますし、高齢になれば施設で過ごす人も多くなっています。

私の病院では延命措置はしませんが、大抵は、機械に繋がれたり、体のあちこちに管を通されて動けなくなった中で、旅立っていくことになります。

そう考えると、野垂れ死というのは、けっこう贅沢な死に方と言えるかもしれません。
野垂れ死にするには、病院や施設に入っていてはだめだし、家でのんびりと過ごしている人にも無理です。
病を押してでも懸命に動いている人が、志半ばで倒れてしまうというイメージが私にはあります。
野垂れ死にを覚悟すれば、もっと生き方が自由になります。
いざという時のためにお金を残しておこうと考えなくていいし、遺書だとかエンディングノートを書いておく必要もありません。
仕事に追われることもなく、1日1日を大切に生きて行けるのではないでしょうか。
野垂れ死にを怖がらず、死ぬまで動き回りましょう。
やりたいことがあれば、年齢に関係なく行動すればいいのです。
理想を追って倒れるまで進み続ける。
そんな中で、やっと自分がこの世に生を受けた意味が分かってくるのです。