還りの生き方

大往生したけりゃ医療とかかわるな 中村仁一

生き物として、最後の重要な役割は「老いる姿」「死にゆく姿」をあるがまま後継者に「見せる」「残す」「伝える」ことにあります。
また、自分の都合で生きているのではなく、諸々のおかげで生かされていることに気づき、その「縁」を大切にするように心がけます。

そして、見えること、聞こえること、噛めること、飲み込めること、座れる、立てる、歩ける、手を動かしていろいろな動作ができることなどは、実は当たり前ではないのです。
病んで初めて健康のありがたみが分かり、不運、不幸に見舞われて初めて、日常の平凡さのありがたみを感じることができます。
このような、普通、当たり前が、実は不思議でありがたいことと噛み締め感謝する、これが還りの生き方の基本であると思います。