運がいい? 運が悪い?

いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太

ミサワホーム社長の三澤千代治さんは、入社試験の面接のとき、必ずこう尋ねるのだそうだ。
「あなたは運のいい人ですか? 悪い方の人ですか?」と。
そして「すごく運のいい方だと思います」と答える人を優先的に採用するという。

どんな人の人生にもアップダウンはある。
そこに違いはない。
違いが分かれるのは、それを「運が悪い」と捉えるか「運がいい」と捉えるかどうかだ。
運が悪いと思い込む人は、周囲まで、いや会社全体までを悪い運に巻き込んでしまう。
それが三澤さんの質問の理由である。

ウツの患者さんには、いわゆるエリートコースをひた走ってきた真面目人間が多い。
こういう人の特徴は、反省好きなことだ。
過ぎてしまったことをクヨクヨ悩み、ああすればよかった、こうすればよかった、と反省ばかりしている。
反省は休むに似たりともいう。
この言葉には一理ある。
反省している間は、物事は前に進んでいないからである。