辛口なこと

若い時から鍛えてきたのに、こんなに体にガタが来るとは思わなかった。
退職したら、好きな本を読もうと思って楽しみにしていたけど、目がかすんで読む気になれない。
歳を取れば当然の事なのに、嘆きは深いです。
若いうちは長生きして人生を謳歌したい、と思っているかもしれませんが、今の体力のまま長生きできると思ったらいけません。
70歳過ぎてもこんなに元気、80歳でエベレスト登頂、バラ色情報を増殖させているマスコミに踊らされていますと、現実の老いに苦しむことは必定です。
辛口なことをいいますが、前もって最悪を知ることで、人間は落ちつけるのです。

歳を重ね、いろいろなことを経験してきますと、喉から手が出るくらい欲しいものでも
「手に入れると、それほどうれしくない」とか、
「どんなに急いでも、大した差は出ない」とか、
「財産が増えれば、それに伴い煩わしさも増える」とか、
「強い人や偉い人が必ずしも立派な人ではない」というようなことが分かってきます。

穏やかな老後を目指すのなら、「満足する能力」を身につけるのが良いと思います。
60歳を過ぎ古希が近づくと、当たり前のことを当たり前のようにできなくなる現実を毎日経験します。
死を恐れる気持ちは徐々に薄れ、「死がすべてを解決してくれる」という実感すら抱くようになります。

体力が衰え、「もう頑張らなくてもいいんだな・・」と思えるようになると、心が穏やかになるのです。
今までよく頑張ってきたな、と思えるのです。