英知の継承

「手紙屋」 喜多川泰

自然界は弱肉強食、つまり強いものが弱いものを食べるという法則で成り立っていますが、人間は他の動物から食べられるということはありません。
それは、なぜでしょう?
私たち人間は、原始の時代から、それまでに誰かが経験してきたこと、発見してきたことを受け継ぎ、学び続けてきました。
つまり勉強することによって、先人の知恵を学び、自分を磨き、昨日までの自分とは違う自分になるという変化を繰り返してきたのです。
そうやって文明を築いてきたからこそ、他の生物とは一線を画しているのではないでしょうか。

この、他の動物にはできない英知の継承を「勉強」と呼んでいるわけです。

ですから、ある数学者が人生を費やして発見した定理を、現代の子どもたちは、ほんの数時間の説明を聞くだけで自分のものにすることができるのです。
勉強という道具は、自分を磨くための最良の道具の1つだということが分かります。