苦悩には

オーストリアの精神医学者であるフランクリンは、苦悩には2つの種類があるといっています。

1つは「宿命的な苦悩」であり、もう1つは「不必要な苦悩」です。
人の苦悩には宿命的で必然の苦悩があり、その苦悩に耐えることから生まれる価値を態度価値とよびました。

不必要な苦悩とは、自分が好き勝手なことをして、その「つけ」として苦しみ悩むことです。
たとえば恋愛中に自分のことしか考えず、好き勝手したためにふられた人は、自分を捨てた相手をうらむ傾向にあるといいます。

人はとんとん拍子に成功すると、どうしても「いい気」になります。
おごっている時には、他人への思いやりがありません。
ところが幸運とは儚いものですから、いい気になっていれば後から「つけ」を払わされることになります。

どんなに社会的に成功しても、自信のない人はいます。
極端な場合には、社会的に大成功していても自殺することもあり得ます。
それは人間が「生きることへの意味」を問う意思をもっているからです。
人間がもし、社会的な成功だけで満足できるのなら、誰でも自信を持てるのでしょうが・・。
成功しても成功しても、さらに大きな成功を求めて血眼になっている人がいます。
それは「生きることへの意味」「人間的成功」への願望が満たされていないからなのかもしれません。