自分の師匠をつくる

今の世の中は「何のために生きるのか」を教えてくれる人はほとんどいません。
でも現実は、競争社会の息苦しさが、不安と焦りを蔓延させています。
経済社会を維持していくためのシステムが高回転で回転し、加速していきます。
その歯車から振り落とされる不安や恐怖を感じながら、私たちは生きています。
この社会の有効な価値観として存在するのは、もう「スピードの速さ」しかありません。

ゆっくり走行しているときの視野は広いです。
それが100キロ、150キロ、200キロと加速していけば行くほど、視野は点のようになっていきます。
スピード社会のトップを走っている人でさえ、大なり小なり、閉塞感に苛まれています。

このような速度からくる窒息感を逃れて、ゆったりと呼吸をするためには、自分の価値観や常識を根っこから壊してくれる、師匠のような方が必要です。
師匠と同じ時間を過ごすことで、「ゆっくり、ゆっくり、今ここ」の感覚を味わうことができます。
こういう時間を過ごしていると、実は日常の能率的で頭をフル回転させている時よりも、視野が広がり思いがけないものが見えたりします。

私にとっての師匠は、あらゆる本の中に存在します。
本を読むたびに感銘して、その度に私の考え方は変化します。
毎回価値観が変わっても、私はそれでいいと思っています。