自分の中の悲しみに目を向けて

いつでも死ねる 帯津良一

自分の中の悲しみ、人の心の奥にある悲しみに思いを馳せられる人は、素敵な癒し手になれるのです。
明るく前向きな気持ちというのは、とても脆いもので、ちょっとネガティブなできごとが起きると、ガラガラと音を立てて崩れてしまいます。
ですから、あきらめない気持ちだけを持っていても、体や心は癒されていきません。
それに加えて、執着しない、こだわらない気持ち、つまり「いつでも死ねる」という思いを持つことが必要だとサイモンと博士は言っていますが、人間の本質は悲しみであると知ることで、体や心は癒されていくのです。

自分の中にある悲しみに目を向けてください。
悲しくて結構。
それが人間の本質なのですから。
悲しみが本質であることを知ってしまえば、何があっても動じることはありません。