自分に自信のない人ほど「自分探し」に夢中になる

辛い気持ちが消えていく 斎藤茂太

自分の性格を、占いごときで決めつけるのはいかがなものか。
占い好きの人は、何かの価値観で結論を白黒つけてほしいというある種の他力本願志向が根底にあるように思う。
「地獄に落ちるわよ」などと言われるかもしれない相手に、占ってほしいという心理は、まさに他力本願である。
そんな考え方をしていると、占いでも、血液型でも、そこで導き出された性格を見て「私はA型だから、生真面目でストレスがたまりやすいんだよな。やっぱり・・」などと納得して、そこから先へは進まない。
自分の力で何とかしようと思えばできることなのに、血液型や占いの結果であきらめ、不幸を背負っていると勝手に思い込んでいるのだから困る。

「自分の力で何かをやりとげた」という実感を過去に持っていない人というのは、いつまでたっても自分への自信がつかない。
だから「自分探し」に夢中になるのであり、そのためにまた占いや血液型に頼ろうとする悪循環に陥るようだ。