自信より未来に希望を

辛い気持ちが消えていく 斎藤茂太

あるサラリーマンは、ちょっとした時間があいたときに「感動語」を書き連ねるのだそうです。
すごい、素敵だ、美しい、うまい、素晴らしい、グッド・・・といった具合に。
これも、つらい気持ちを忘れるコツになりそうだ。
ただし、無理にポジティブになろうなどと考えてはいけない。
あくまでも、じわじわと自分の心も体も回復していく実感、心にも体にも力がついていく、そういう実感をよく味わってほしいのだ。

生きる自信がない、仕事に自信が持てない、愛される人になる自信がない、結婚生活に自信がない、そして、もっと自信を持って生きたいという声をよく耳にする。
私がここで言いたい のは、まず自信なんて必要ありませんよ、ということだ。
大切なのは自信があるかどうかではなく、これからの人生に希望を持てるかどうなのか、ではないかということ。
だいたい、自信満々の人など気色が悪い。
何かにつけ偉そうで、威圧的で、身勝手で、親しいお付き合いは遠慮したい人ばかりである。
むしろ、自信のなさそうにしている人の方が、愛嬌があって声をかけたくなる。
人をそんな気にさせるのだから、すごいものだ。
もっと自信を持ってほしい。

弱い犬ほどよく吠えるというが、実は気が小さくて、内心びくびくしていて、人から文句を言われたくないから、喋りまくっているケースもある。
自分の自信のなさを人に見破られたくないから、よく吠えるのである。
次のような人からは、自信のなさが見え隠れする。
「絶対に」を連発する人、自信満々な態度を強調している人、言い訳がましい人、何かと人のせいにする人。