美田を残さず

がばいばあちゃんの口癖 島田洋七

生きているときに、いかにお金を有効に使うかということが大事です。
だから、人間は足腰がしっかりしているうちに、あっちこっちに行って、お金を使い果たして死ぬのが最高です。
お金の使い道は何でもいいんです。
だから、私は貯金なんてほとんどないですよ。

5億、10億といった財産を残しているところは当然もめるらしいのですが、遺産相続の相談で一番多いのが、二千万円くらいの遺産だそうです。
「私が主に看病していた」
「いいえ、私は土日に看病していた」
と、子どもたちが遺産を少しでも多くもらおうと争うんです。
それでは、お金を残した方が困るということになってしまいます。

逆に、使い果たしていたら、そんなもめ事は起こりません。
お金なんて、死んだあとは無用になってしまうんです。
たくさんのお金を残して死んだからといって、残された人はお金に目がいってしまって、期待しているほど、誰も拝んではくれなかったりするものです。
だから、60歳過ぎたら、好き勝手にお金を使って生きていくのがいいんです。
最後は、嫌われるくらいで死んだ方がいいかもしれません。
そのほうが、名が残るし、「あいつも、やっと死んだか」と、お通夜も盛り上がります。