細胞の原型

生物はなぜ死ぬのか 小林武彦

コロナウイルスは100ナノメートルの球状で、スパイクと呼ばれる棘が生えた膜に遺伝物資であるRNAが入っています。
ちなみに、この膜は脂質でできていてアルコールに溶けやすいので、アルコール消毒が効くのです。

46億年前の地球表面は、高温でドロドロに溶けていました。
その後何億年という時間の経過とともに徐々に冷えてきて、核酸、たんぱく質や脂質などの細胞の材料となる有機物質が蓄積してきました。(簡単に1億年といいますが、私たちが人生を100万回やり直せる位長い、時間の流れです)
それらの中には、RNAとくっついて自己複製を助けたり、分解を防いだりする働きを持つものも出てきました。
限られた材料を取り込んで、効率よく自己複製する有機物の袋が集合と分散を繰り返し、徐々に効率よく自己複製する袋が支配的になり、最初の細胞の原型になっていったのだと考えられます。