禅僧

曹洞宗住職 関大徹氏の書より

縁あって禅僧として出家し、平凡に禅僧として生きてきただけである。
当然ながら妻いない。
妻はないから子もない。
ついでに言えば、酒もたばこもたしなまず、食生活はずっと精進料理だから菜食である。
何のことはない、葉っぱにたかった青虫みたいなもので、私もそのようなものだと心得ている。
それが、驚天動地の珍事になるらしいから驚きである。

道元以来、お寺に入ったら食える保証などどこにもあったためしはない。
お寺で食えるというのが間違っているのであって、お寺は食う所ではない。
自分の修行に夢中なっているために、お百姓さんのように一粒の米も生産することができないから、行乞に出て、「すみません」と言って、一握りの米を頂戴して、生きながらえさしてもらっている。