祭りの後で

ココロの架け橋 中野敏治

学校で大きなお祭りがありました。
学校の先生方やPTAの方々、地域の健全育成会の方々が、このお祭りのパトロールにでます。
お祭りの会場をまわると、生徒たちが友達と楽しそうに話しをしながら、夜店を回り買い物をしている姿をたくさん見かけました。
お祭りも終わりに近づいたころ、会場のゴミを拾いながら浴衣姿の生徒たちに気をつけて帰るように声をかけて会場をまわりました。

会場から離れた場所に、高校生らしき少年が二人、駐車場の車止めに座っていました。
初めて会う少年です。
私は気になって、彼らの横に行き、早く帰るように声をかけたのですが返事は返ってきませんでした。
黙って彼らの横に座りました。
数分が過ぎ、彼らから「なんだよ~」と話しだしました。
「帰ろう」という言葉かけではなく「いくつなの? どこの中学校の卒業生?」と声をかけると、やっと彼らが話し始めました。

近くの自動販売機でジュースを買って一緒に飲みながら、私と彼ら二人と1時間近くいろいろな話しをしました。
あれだけ無視していた彼らが、不思議なくらいに中学校時の話しを話し始めたのです。