生物の始まり

生物はなぜ死ぬのか 小林武彦

宇宙は138億年前に「ビッグバン」と呼ばれる大爆発から始まったといわれています。
その根拠の1つが、1929年にアメリカの天文学者エドウイン・ハップルが発見した宇宙の膨張です。
ハップルが詳しく観測すると、宇宙のあらゆる方向で銀河が地球から遠ざかる動きをしているのが分かりました。

地球で生命が誕生したのには、いくつかの理由が考えられます、私が一番大事だったと思うのは、太陽とのほどよい距離です。
水や生物の材料となる有機物が凍ることもなく、しかも燃えるほど暑すぎない、このほど良い温度が重要だと思われます。

生き物の中で、もっとも作りがシンプルなのが細菌(バクテリア)の仲間です。
サイズは数マイクロメートル(1マイクロメートル=1000分の一ミリ)と小さいですが、地球の到るところに生息し数でいうと一番多いのです。

細菌より小さいのがウイルスです。
ウイルスは遺伝物質(DNAやRNA)と、それを取り囲むタンパク質の殻からなる、数十ナノメートルの大きさの粒子です。
ウイルスは自分だけで生きられないので、無生物に分類されています。
ウイルス自身では、身体やエネルギーをつくるために必要なたんぱく質をつくることができません。