生涯現役

なぜ「死」がこわいかといえば、誰も死を経験したことがないからです。
そして、「生への未練」があるからです。
未練は「欲」がつくりだします。
「生」への未練は、膨らんだ「欲」が生み出します。
したがって欲を減らしていけば未練も少なくなり、歳を重ねるうちに、死との折り合いがついてくると考えらます。

50歳も半ばを過ぎたら、自分の退職後を考えておくことが大切でしょう。
そのためには現在の仕事を抱え過ぎず、自分の時間も確保します。
50歳を過ぎたら、やりたいことだけをやるように努力し、敵はつくらないようにするのが肝銘です。
トップの成績を維持してきた人も、「若い人を育てる側に回ってみよう」と心がけてみます。

モノを持つことでアイデンティティを感じる生活は、未練を残すので改めていきます。
モノには思いが詰まっており、生への未練が強くなります。
この思いを生前に整理していくことが、未練を少なくするコツだといわれています。

歳を重ねるにつれ、身近な年上の人がだんだんとこの世を去っていきます。
こわいかと聞かれれば、うまくしたもので、若いころよりこわくありません。
90歳近い高齢者が「友達、近所の人がみんな旅立って、自分一人が残されてしまった。早く、お迎えが来ないか・・」と嘆いている気持ちも、何となく分かる年齢になりました。

でも、こんな自分でも誰かの役に立っていると思える仕事があるので、とても幸せに感じています。
それが「生涯現役」ということでしょうか。