生きる 7

「こうでなくてはならない」という自分が、「ありのままの自分」を苦しめていることがあります。

ガンのような病気になり、自分の人生が様変わりしてしまったと感じたとしても、多くの人は喪失と向き合い、そして新たな人生を生きて行こうとします。
喪失と向き合うためには、しっかり悲しみ、しっかり落ち込むことが大切だと言われています。

本当は辛いのに、弱い自分を見せることができず、辛いと言えず強がってしまう。
本当は分かって欲しいのに、周りの人に気持ちを打ち明けられず、孤独になってしまう人もたくさんいます。
なぜ、あるがままの自分の気持ちを認められないのでしょうか。
それは、「本当はこれがしたい」と思っていても、「そんなことはしてはいけない」と、強固にブレーキをかけようとするもう一人の自分がいるからです。

カウンセリングでは、自分の生い立ちから今に至るまでの自分の軌跡を振り返る作業を行うことがあります。
これは、自分を理解するのに非常に役立ちます。
この作業が進むと、「そんなことをしてはいけない」と、自分を縛っているもう一人の自分がいる事情が分かってきます。
そして、過去には確かにもう一人の自分が必要だったかもしれないけれど、しかし今は「あるがままの自分の気持ちを認めてあげてもいいのではないか!」ということが分かります。

このような作業は、勇気と根気がいりますが、もう一人の自分から解放してあげるには必要な作業になります。
もう一人の自分から解放されると、生まれ変わったかのように自由に生きて行かれる方も多いそうです。