現実を見ること

日本人の死に時より 医師の書

長生きは決していいことだけではないという現実をよそに、新聞にはこんな見出しが良く出ます。
「70歳から、さわやかに輝く・・」
「80歳でモンブラン登頂、夢に向かって老い知らず」
「90歳、現役真っ最中。自分を磨くとき、それが90代」
こういう長寿礼賛の記事を目にするたびに、私は顔をしかめます。

嘘ではないけれど、老人医療の現場にいるものからすれば、とても当てにはできない楽観的なものです。
それは厳しい老いの現実など、誰も聞きたいと思わないからでしょう。

でも、そんな情報に踊らされていたら、いずれ訪れる老いに苦しむことは必定です。