激しい医療からガン患者さんを守る医療

いのちの言葉 ガン患者を支える会 竹中文良

ただひたすらにガンを治すことだけに、ガンと闘う医療だけに集中していいのか、という反省が私の中で非常に強く起こってきたのです。
ガンと闘う医療を追求してきたために死期を早めた患者さんというのは、何十万人といるわけです。
もう取れないガンを無理して取ったとか、生命の限界まで来ているのに、最後の最後まで抗ガン剤を打って、結局、副作用で死んだというようなことは、医療の中では数えきれないほどありました。
ですから、非常に矛盾しているのですが、ガンと闘う医療と、激しい医療から患者さんを守る医療と、この二つが協調していかないと、ガンの医療というのは完成していかないわけです。

医者や看護師、医療従事者は、悩みを抱えた患者さんに対して、職業としては適切に対応していても、患者さんの心に対する対応は欠けていたというのが実感です。

私は退職後、日本赤十字看護大学へいき、そこで教授をしながら、ガン患者を支えるための研究を始めました。