波風のない人生ほどつまらない人生はない

いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太

バブル崩壊で企業社会のヒエラルキーが崩壊したというのに、まだ日本人の頭の中には厳然と、一流大学、一流社会のリストが残っているようだ。
その最たるものが、お受験とか称して、幼稚園にも上がらないうちから、我が子を受験戦争へ駆り立てている。
こうした行動にブレーキをかける父親が不在なのも、ふがいなく思えてならない。
90年近い人生を生きた実感から言えば、何んの波風もたたない人生など最もつまらない。
挫折や苦労などないに越したことはないと考えがちだが、こうして振り返ってみると、大いに挫折し、そこから立ち上がったり、苦労を重ねて乗り越えてきたからこそ今日がある、としみじみ感じる。

あなたが今、心ならずも苦難に直面しているとしたら、その苦難を乗り越えたとき、自分の魅力は一段と増しているのだと大いに希望を持ってほしい。