江戸庶民

江戸庶民の生活は現代よりストレスが少なかったのではないかと言われています。なぜなら、人々は毎日が楽しく暮らせるだけで満足していたのではないかと想像できるからです。

「宵越しの金は持たない」という気質はそれを物語っています。では、当時は将来への不安がなかったのかといえば、そんなことはないと思います。不安を探せば現代と同じようにたくさんあったことでしょう。

では現代と何が違うかといえば、この時代の人たちは連帯しないと生きていけなかったので、困ったことが起これば損得抜きで助け合うという風潮があり、それが人々の安心感につながっていったのだと思います。

現代では年金制度や医療制度など恵まれた環境にありますが、残念ながら人々の連帯感という点では希薄であり、すべての責任が「個」に委ねられています。そうした傾向が将来への不安感を増幅させているように思えるのです。