求めない

加島祥造氏の「求めない」から

「求めない」、すると恐怖が薄らぐ。恐怖からとても自由になる。何故なら恐怖は多くの場合「求める」ことからくるからだ。「求めて、求めたものが来なかったらどうしよう。大変だ」それが恐怖なのだ。

「求めない」、すると頼らなくなる。これが求めないことの一番のすごい所かもしれない。今あるもので十分だ、と知る人だけが生きることの豊かさを知るのだ。静けさと平和、この2つが見つかる。それが豊かさなのだ。求めないでいられるとき、人は一番自由なのだ。

着るものも、食べるものも、住む所も不自由なければ、それ以上求めないでいればとても自由なのだ。

ところで求めないでいられるのは、もう自分がある程度のものを持っているからだ。何も持たない人に求めるなというのは無理かもしれない。衣食住が足りていて、それから自分が礼儀や気取りを捨てたとき自由がくるのだ。