気持ちを大きく、大きく

いい言葉がいい人生をつくる 斎藤茂太

最近の若者はどうも覇気を感じない。
仕事でお目にかかる会社経営者の方々などが口癖のようにこう言われるのだ。
とはいえ、精神科医という立場からも、これにはまったく同感できる。
こんな些細なことで?と首をかしげてしまうようなことで精神のバランスを崩し、精神科を訪れる患者さんが急増しているからである。

上司に「君の企画はこのままでは使えない」と言われた、女子社員に「ヘアスタイルがダサい」と笑われた。
それ位のことで、精神科を受診するほど追いつめられてしまうのである。

冗談じゃない。
部下の提出する企画書がみんな適用するくらいなら、上司は苦労しない。
「使えない」と言われたら、練り直せばいいじゃないか。
ヘアスタイルを笑われるということは、それだけ関心を集めていることではないか。
誰も関心を抱かないような人なら、無視されるだけだ。