母とは 2

投稿より 42歳女性

まだ私が5歳のころ、いつも熱を出して医者通いが欠かせませんでした。
実家は山奥の一軒家、街灯は全くなく、夜になるとあたりは真っ暗で、静かというよりは怖い感じでした。

私が真夜中に40度もの熱を出し、下がる気配が全くなく、万一のことがあってはならないと、医者に行くことになりました。
当時家には車はもちろん、オートバイすらありませんでした。
あるのは自転車だけ。
母は苦しんでいる私を後ろの荷台に乗せ、真っ暗な山道をお医者さんのところまで連れて行ってくれました。
真っ暗で、あまりの不気味さに、母にしがみついたことを覚えています。
そのときの母の背中の広さ、温かさは忘れることはできません。

夜中にもかかわらず私を診療してくれたお医者さん。
「この子に万一のことがあったら私も死にます!」と叫んでくれた母。
私の思い出は、あふれる感謝の渦で囲まれています。