死に金、生き金

みっともないお金の使い方 川北義則

お金というものは、流通しなければ、その価値を発揮できない。
無駄に使って役に立たない金銭を死に金といい、役に立つ使い方を生き金というが、本当の死に金というのは、タンスに仕舞われたまま使われないお札、引き出しの奥で眠っている小銭箱などである。

1回選挙をすると1,000億円近いお金がかかる。
しかし、ポスターや立て看板、選挙カーに旅費、その他諸々のお金が動くことで、ささやかな景気刺激策にはなる。
ギャンブルに使うお金だって、個人的には浪費の極みだが、投資額の2~3割は税金なので、ギャンブラーは中々の多額納税者なのである。

自分が惜しくないと思う使い方をしたお金は、死に金ではない。
また、お金が喜ぶ使い方をしたお金も死に金ではない。
水洗トイレで流されなかった小銭もマンホールに落ちなかった小銭も、きっと喜んでいる。