歳を取るって満更でもない

定年を迎え、老いてくると生活のために嫌なことでも耐えてやる必要がなくなります。
自由で豊富な時間を、自己実現のために使えます。
現役の時と違い、嫌なものに我慢をする必要はなく、断る自由があるわけですから、今まで自分が培ってきた知識、経験、人脈を十分生かして好きな仕事を選んで楽しんでやればよくなります。

寿命とは、「娑婆での修業が終わりました、お疲れ様でした。もう、戻っていいですよ」という仏からの呼びかけです。
身体も命も仏さまからの借りものです。
あるがままにお借りしたのですから、帰還命令がおりるまで精一杯生きればいいのでしょう。

秀吉が言った「起きて半畳、寝て1畳、天下とっても二合半」、どんなに裕福でも、地位が高くても、みんな同じです。
幸せとは、与えられたものをいただいて素直に喜べること、ありがたいことだと思えることではないでしょうか。

若いうちは「鳴かぬなら鳴かせてみよう、ホトトギス」ですが、人生の頂点を過ぎ下り坂にかかると、ありがたいことに「鳴かぬなら鳴くまで待とう、ホトトギス」という心境になれます。
若いうちは気づかなかったことや、見えなかったことが見えてくるのです。