検査の基準値とは

大往生したけりゃ医療とかかわるな 中村仁一

歳を取ればどこかに故障が出るのは当たり前です。
ですから、むやみに検診や人間ドックを受けて、病気探しをしてはいけません。
医者の餌食になるだけです。
ところで、「けんしん」には、「検診」と「健診」の2種類があります。
「検診」は、特定の病気や器官を対象にして、病気の早期発見を目指し「がん検診」などと使い、その目的は病気探しということになります。
一方、「健診」は健康診断の略で、健康状態の点検が主で、一応健康づくりが目的となっています。

検査の数値は、微妙なことで変動するといわれています。
同じ血液検体を複数の検査施設に依頼すると、異なった測定結果がもたらされるそうです。
検査機器や検査試薬が違うためといわれています。
同一施設でも検査技師が交代すると、測定値が変化することもあるそうです。

検査の基準値ですが、健康人の95%が含まれる値に設定されています。
つまり、健康人であっても5%の人は、基準値からはずれているのです。
さらに検査項目が2項目になると、95%の二乗で90.25%になります。
10項目ですと、59.87%、30項目も検査すれば21.4%になり、約8割の健康人が、何かで引っかかる計算になります。

おまけに、この基準値は若者のそれだということです。
したがって、お年寄りにあてはめるには、いささか問題があるということになります。