最期には自分を精一杯褒めてあげましょう

いつでも死ねる 帯津良一

私たちは誰でも死に向かって行進しています。
しかし、それは負け戦ではありません。
誰もが頑張って立派に生きてきたわけです。
そのゴールが死であり、それは新たなる生のスタートラインでもあります。
その瞬間が近づいてきたと思ったら、長い間、頑張ってきた自分を精一杯褒めてあげてください。
力一杯生きてきた自分を誇りに感じてください。
こんなにも成長できたことに感謝してください。
そして、その瞬間が来たら、ためらうことなく全速力であちらの世界へ飛び込みます。
その時のための土産話を、これからもせっせとためることにします。
死ぬまで現役、もう一度ここで攻めに出るくらいのつもりで、私は更にアクセルを踏んでみたいなと思っています。

人間ドックの成績がオールA、ああよかった、私は健全だ、と胸をなでおろす。
何を隠そう、これは錯覚というものですよ。
人間は体、心、精神の統合体です。
統合体として健全な状態にあるとき、これを健康と呼ぶのです。
人間ドックの結果は、体だけのものです。
それも、数値化できる範囲のものにすぎません。
本来の健康とは、内に生命の躍動があり、外にあか抜けして、張りのある色っぽさを発揮している状態をいいます。
何事も貪欲に最後まで追求しないで、あるところであきらめて満ち足りる。
潔さといってもいいでしょう。
さらに事に当たっては、常に心意気を持ってすることです。