最後はむき出しの個人に戻る

人は死ぬときに何を後悔するのかより

日本は寝たきり老人が一番多く、歩きにくい老人を車イスに乗せ、自力で食べられなくなると援助をするのが、良い介護と言われています。
欧米では、どんなに手がかかっても最後まで自力で歩かせ、自力で食べるように仕向け、それができなくなったらあまり手をかけません。
また、回復の可能性のない人を胃ろうで生かし続けるという考えは、原則的にありません。

ガンで助からないと分かると、若い人はもちろん、中年、老年の人たちも「こういう病気で死ぬとは思わなかった」と言います。
人が死に向かうとき、それまで身についていた社会的な衣のすべてが剥がされ、むき出しの個人になります。
死に直面すると、お金、権力、名誉のある人の方が、不安、怒り、落ち込みが強い感を受けます。
それまで大変「力」のあったものが、死にはまったく役に立たないからです。