最初の生命

いのちの言葉 JT生命誌研究館館長 中村佳子

今、地球上には5千万種類の生き物がいると考えられています。
どんなに種類が多くても、これらの生き物がみんな仲間同士だということを、今の科学は明らかにしています。
というのも、地球上のどんな生き物も、細胞でできているからです。

細胞の中には、DNAという物質が必ず入っています。
これが遺伝子で、生き物の性質を決める役割をしています。
5千万種類もいる生き物がみんな細胞でできていて、しかもDNAが入っている。
それは偶然とは考えにくいので、今いる生き物たちは全部、共通の祖先から生まれてきたのではないかと考えられています。

そうやって元ををたどっていくと、人類の起源のところまで戻れると思います。
さらに哺乳類の元へ、そのまた元へ、とさかのぼっていくと、一番最初に地球に生まれた1個の細胞にたどり着きます。
それは、おそらく38億年ぐらい前だといわれます。