日差しを浴びて運動を

「ノイローゼ」は運動をすると治ると言われています。

体を動かすと、脳の運動野という部分が体に命令を出します。
そして動いた部分からの感覚が、脳の頭頂葉にある「体性感覚野」に送られます。
脳には活動した部位の血流が増え、栄養が増加することが知られています。

悩んでばかりいると、脳の悩みの司令塔が常に活動してしまいます。
その結果、暗い考え、嫌な思いが頭から離れず、ますます陰気になっていきます。
ところが運動により脳の活動を悩みと関係のない方向に向けてやると、そちらの神経の活動が盛んになり、悩みの部分の活動が弱まるのです。

人間は「体を動かしながら陰気なことを考える」ことは、なかなかできません。
脳の活動の原則として、よく使う神経のつながりは強化されていき、使わない神経のつながりは弱まっていきます。
運動をすることにより、悩みの素となるなる神経のシナプスは次第に結合を弱め、ついには離れていきます。
その残骸は食細胞に食べられてしまうこともあるそうです。

運動は明るいところで行いますが、これも精神を明るくするのに役立っています。
光は「後頭葉」の視覚野に伝えられ、視神経は脳の後ろにある「松果体」につながり「セロトニン」をつくらせます。
「セロトニン」は心を安定させ、気分を明るくさせる神経伝達物質ですから、明るいところに出ると、心が晴れ晴れするわけです。
うつ病の患者さんを日差しの強い南国に連れていくと、うつ病が治ることも知られています。

さらに夜になると「セロトニン」から「メラトニン」というホルモンがつくられます。
「メラトニン」は「免疫力」を高め、「睡眠」をもたらし、「心臓」の働きをよくする作用があるそうです。
このように昼間、明るいところで日差しを浴びながら運動をすることは、よいことの連鎖反応を起こしてくれます。